神戸市営地下鉄学園都市駅から直結、学園都市駅ビル3階にある歯医者さん、学園都市歯科ロコクリニックです。待ち時間の少ない、ほぼ無痛(痛くない)虫歯治療、しっかりとした説明、などに取り組んでいます。
今回は正しい食べ方と飲み込み方についてお話させていただきます。
そもそも食べ方や飲み込み方に正解があるのでしょうか?
人それぞれ生まれつきプログラムされたお口の機能と思っている方もいらっしゃると思います。
実は食べ方や飲み込み方には正しい方法があります。
最近はお子様の環境変化により正しい方法を体得できていない場合がよくあります。
まず正常の食べ方と飲み込み方をご説明します。
○正しい食べ方(咀嚼)
ポイントは3つです。
・前歯で噛み切る(咬断)
下の前歯ですが、上のあたりがギザギザしている方はいらっしゃいますか。これはしっかり前歯を使えていない状態なので注意が必要です。前歯をしっかり使えているお子様はギザギザが削れて平坦になっています。
・小臼歯部は大まかに食べ物を分ける
・大臼歯部(奥歯)で細かく噛み砕かれる(臼磨)
この3点を自然に体得できているかどうかです。
これらは歯の視点からポイントを挙げていますが、この3つのポイントを満たす食べ方をするためには歯の周りの組織(舌、唇、頬っぺた、歯ぐき)が協調した動きをしないといけません。
実は最近のお子様はお口の機能低下によりこの正しい食べ方ができないことが多いです。
原因としては遺伝的な要因もありますが、環境の問題が多いと考えられています。
具体的には昔より噛みやすい食材が多く、お口の筋肉をあまり使わなくていいことが原因でしょう。
お口の筋肉をしっかり使えていないお子様はお口をポカーンとあけていることが多いです。
お食事に関しては3つのポイントを押さえていなくても問題はないかもしれないですが、お口の機能低下は歯並びの乱れ、運動機能の衰え、思考機能の衰えを誘発する可能性が高いです。
具体的な機序はここでは割愛しますが、お口の問題だけではないのです。
次に正しい飲み込み方(嚥下)についてです。
○正しい飲み込み方
①舌の先がスポットにある
②唇は軽く閉鎖
③舌の中央部が上顎に吸いつけられ、舌の根元が押し上げられる
④奥歯(臼歯)は噛んでいる
⑤お口の周りの筋肉(口輪筋、オトガイ筋)の収縮は認められない
⑥顔の揺れがない
これらを満たす飲み込み方が正しい飲み込み方です。
では正しくない飲み込み方の例としては舌を前に出しながら飲み込む方法(逆嚥下と言われます)です。
この方法は赤ちゃんがおっぱいを吸う時に使われる方法であり、乳児嚥下とも言われています。
具体的には舌を前に出し、嘔吐するかのように舌の奥を押し広げるようにしてお口を開けたまま上下の歯を噛み合わせることなく飲み込む方法です。
もちろん正しくない方法でも飲み込むことはできますが、誤嚥性肺炎になりやすいこと、歯並びの乱れを誘発することが報告されています。
以上が正しい食べ方と飲み込み方です。文章にするとなかなかイメージしにくいかと思います。
また実際にお子様が正しい使い方をしているかどうかは普段の生活から観察しないと判断できない部分もあります。
ご家庭でもそういった目でお子様のお食事を見てあげてください。
今後さらにお子様の成長に伴い顕在化してくる可能性が高い問題です。