神戸市営地下鉄学園都市駅から直結、学園都市駅ビル3階にある歯医者さん、学園都市歯科ロコクリニックです。待ち時間の少ない、ほぼ無痛(痛くない)虫歯治療、しっかりとした説明、日曜診療などに取り組んでいます。
塚や墓から掘り起こされたお歯黒の歯にはむし歯がほとんどなく、またむし歯が始まってから結婚してお歯黒を付け始めたと思われる女性では死ぬまでそのまま進行が停止していて、お歯黒にはむし歯を予防する作用があるばかりでなく、その進行を抑制しさらに、知覚を鈍麻する作用のあることも認められているのをご存じでしょうか?
大正時代、北陸の農村部では「お歯黒の女性には歯医者はいらない」と言い伝えられていました。お歯黒の歯にはむし歯や歯槽膿漏も少なく、歯の痛みも起こりにくかったのでこのような言い伝えが残ったのでしょう。奈良時代の宮廷から始まったお歯黒が江戸時代には庶民にまで広がり営々と続いたのは、その効果を人々が理解していたからではないでしょうか。
さてお歯黒の材料は、五倍子粉(約六十%のタンニン含有)と鉄漿水(酢酸第一鉄溶液)でした。タンニン(渋柿の渋の成分)は、歯や歯肉のたんぱく質を凝固・収斂させ、細菌の侵襲から守る作用があります。また、鉄漿水の主成分である第一鉄イオンには、エナメル質の主体であるハイドロキシ・アパタイトを強化して耐酸性を向上させる効果があります。
さらに未反応の第一鉄イオンは、呼吸の酸素によって酸化され第二鉄イオンとなり、未反応のタンニンと結合して黒い耐溶性のタンニン酸第二鉄となって歯の表面をおおい、細菌との接触を予防する効果があるのです。
そして、お歯黒の材料は歯垢をよく取り除いておかないと歯に染まらなかったので、当時の女性たちは楊子で丹念に取り除いていました。つまり目的をもって効果的に歯磨きをしていたわけで、これもむし歯予防に重要なことでした。
お歯黒のように無機質と有機質の両面から歯を守るいわゆる予防歯科材料は、欧米の歯科界では当時まだ発見されていませんでした。私たち日本人の先人が奈良時代から予防歯科材料を開発し実践していたことは、歯科医学の歴史の中で特筆されるべきことでしょう。
現在、このお歯黒の有効成分が注目され、製品として開発されています。例えば、歯に接着するセメントに加えて、治療後の歯がむし歯になりにくいように利用されているのです。
いかがだったでしょうか?何かお口のことできになることがあれば、ロコクリまでお気軽にお問合せくださいね!